個人の幸福を株のように取引できるサービスを題材とした映像作品。会社の株価が投資家の売買によって変動するように、本サービスでは対象銘柄のSNSの投稿を判断材料として、HAPという幸福度株が売買され、価格が決まる。投資家は、SNSの投稿から「幸せそう」「この人の幸せを応援したい」という気持ちでHAPを購入する。
投機は「価格」と「価値」の乖離を生み出し、「SNSを通して評価される幸せ」と「自らが感じる生の幸せ」の乖離とリンクさせることで、SNS文化における新たな幸福の価値観を浮き彫りにする。また、株式をモチーフとして引用し、幸福度の上場/インサイダー取引/株主の圧力などのキーワードに加えて「推し文化」を絡め、幸福とインフルエンサー経済の関係を探る。映像は、主人公・伊藤玲奈がHAPの購入/上場/高騰/下落を通して市場に巻き込まれていく一連の流れを、主人公のデスクを主観視点で追う形式で展開していく。