ある時代の様子を収めた、4つの短いシーケンスからなる映像作品。近年、脳科学による精神活動の理解や、生物学的な幸福の捉え方によって、脳や神経、遺伝的に決定された要素を幸福に対する価値観と強く結びつけるようになってきた。
自分を幸福や不幸にさせているものが何かを丁寧に観察することを放棄して外注に出すことで、幸福を制御し、不幸を排除しようとし始めた私たちは、治療を受ける患者のようだ。本作では、病気化し治療対象にすることで不幸さえも排除しようとする社会と、幸せを感じ続けるだけの生き物を描く。